避妊法には様々な方法があります。
その時の年齢や条件にあった避妊法を選ぶことが大切です。
ひとつに子宮内避妊具がありますが、例えば分娩したことのない方には合いません。

この7月から子宮内へ装着しやすく改良された ミレーナ:IUS(Intrauterine System)を使用することができます。
これは黄体ホルモンが最長5年間子宮の中に持続的に放出するシステムです。このシステムにて次の効果と特徴があります。

■ミレーナの長所

1)長期間の効果が期待できる
一度の装着で経口避妊剤と同等の避妊効果(0.2%の失敗率)を持ち、過多月経や生理痛の症状緩和についても1回の装着で最長5年間有効性を保持します。ただし、避妊目的の使用は自費(当院では6万円プラス税)となります。
正直に話しますと、改良前のIUSは直径が太いための副作用(痛みなど)が多く、さらに装着方法も面倒で、もしムダになった場合の負担を考えると積極的には勧めることはできませんでした。

2)最大の特徴
月経困難症や過多月経の症状緩和に非常に有効である。
子宮内膜増殖症に有効性が認められている。
子宮体がんに対する予防効果が期待できる。
子宮内膜症・子宮腺筋症の症状緩和に有効なことがある。

3)コンプライアンスが良好である
一度装着してしまえば交換メンテナンスが5年ですのでその間ピルのように飲み忘れ等による失敗がありません。またピルと異なり黄体ホルモンが全身に影響を及ぼすことが少ないため、従来ピルを使いづらい40歳以上、喫煙家、高血圧、肥満、血栓症リスク等のある女性でもOKです。また体重増加もありません。

4)総合的な満足度が高い
ミレーナを装着した200人の女性に対して満足度に関する質問をしたところ約94%の女性が「非常に満足している」あるいは「満足している」と回答したとの報告があります。
5)更年期もご自分の周期できます。IUS装着にてホルモンのバランスは変わらないので薬剤性の更年期はきません。


挿入時期
1)月経開始後7日以内(3〜7日)
2)妊娠初期の流産または妊娠初期の人工妊娠中絶の場合は直後
3)出産後は6週間以上経ってから

ミレーナの短所
1)3ヶ月以内の自然脱出が5%前後あります。脱出ではなく、子宮内のIUSの位置がずれたりする場合もあります。装着直後はいい位置にあっても、1ヶ月後にずれている場合もあります。
2)装着後に下腹部痛の持続する場合は、せっかく正確に装着したIUS を抜去せざるえない可能性(費用はムダ)はあります。これは装着する前には確実な判断できません
3)性感染症、子宮内腔異常、子宮粘膜下筋腫、卵巣チョコレート嚢腫合併では使えません。
4) 子宮口が狭い方には装着できないことがあります。従って、未産婦の方には施行しません
5)ミレーナの保険適応が多いと考えられる人の子宮は、筋腫があったり腺筋症である場合が多いと考えられますが、こういう子宮の場合ほど、挿入が難かしく、挿入しても脱出したり、ずれたりする可能性は高いと考えられます。加えて装着による痛みも強くなることも高いと考えられます。

副作用
1)月経出血日数の延長・月経周期の変化
ミレーナの使用を開始してから数ヵ月間は多くの女性に月経時期以外の出血がみられることがあります。しかし、通常は時間の経過とともに減少します。

IUS使用開始後の1カ月あたりの平均出血日数

また、黄体ホルモンの作用により子宮内膜がうすくなるため、月経の回数が減り、約20%の人では月経が起こらなくなります。ミレーナ装着中に月経が起こらなくなることは必ずしも妊娠または閉経を示すものではありません。ただし、前回の月経から6週間以内に月経が起こらない場合や、吐き気、嘔吐、食欲不振などのつわりのような妊娠を疑う兆候があらわれた場合は、直ちに受診してください。
2)卵巣のう胞(通常はホルモン変化に伴う一時的なもの)
3)月経時期以外の少量の出血